うちの会社はブラック?!ルールを把握せずにジャッジはできない!

社労士をしていると、プライベートの雑談でも労務に関する質問を受ける事があります。
近年、インターネットの急速な普及により、容易に情報を手に入れることができるようになりました。
そのせいか、専門家でない方でも労働に関するある程度の知識を持っているように感じます。

「うちの会社、8時間超えた部分が割増賃金になってないんだけど~!それってブラックだよね?!」
…というような話はありがちなのですが、正解とも不正解とも言えません。
確かに、基本的には1日8時間を超えた部分は割増賃金の対象になります。
『基本的には』です。
基本的には…というのは、その事業所が変形労働時間制を採用していた場合など、一概にそうとは言えないパターンもあるのです。
ネットなどの情報から、労働基準法の一部だけを切り取ることは、誤った認識になる可能性も忘れてはいけません。

このように、顧問先ではない会社のことを質問された場合、専門家として適当なことを答えるわけにはいかないので、
「就業規則がどうなっているかによって…、この場では何とも言えないなぁ。」という答え方が多くなります。
ただ、その回答に対して半数近い割合で、
「就業規則?どうなってるかわからない。」
という反応が返ってきます。

就業規則は常時10人以上の従業員がいる場合は作成、届け出が義務となっている、会社のルールブックのようなものです。
併せて、従業員への周知までが会社の義務となっていますので、見たことがないという人は一度確認してみると良いでしょう。
就業規則を見たことがないのか、さらっと読み飛ばしてしまったのか、記憶に残っていないのか様々でしょうが、
ルールがわからないものに、セーフもアウトもジャッジできませんよね。

経営者、労働者共にルールを理解せずに協力し合うことは大変困難であり、誤解や不信感の元にもなり得ます。
お互いにルールの中で力を発揮できるように、モヤモヤすることはクリアにして仕事の本質部分に力を注げるとよいですよね!